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始まりはクロスバイクの故障から…

30代後半に差し掛かったある日、いつも乗っていた自転車が瀕死の宣告を受けました。

中学生の頃に知り合いのおじさんのお下がりで頂いた、GIANT のクロスバイクでした。パーツをあちこち交換しながら、かれこれ20年以上も乗っていたことになります。

タイヤやサドルは何度も交換をしていますが、駆動系などは恐らく買ったそのまま。パーツにもガタが来ているので、ギアの調整も自力だとうまく行かず、何かある度に自転車屋に持って行くのですが、その度に「なんとか調整しておきました」という感じの事を言われます。

ある日、出先でパンクして、そのままサイクルショップへ。すると店員さんから「フレームもホイールもディレイラーも歪んでいますし、タイヤも交換時期のようですね。少なくともホイールは換えた方がいいと思いますが、今後どのくらい乗られますか?」と確認をされました。

更に致命的だったのは、部品だけならば交換すれば良いのかもしれませんが、アルミフレームの歪みは治らないとのこと。確かにタイヤが左右に振れないようにする調整が、矢鱈と難しいと感じていました。

もう十分働いてくれたかな。

かくして、25年振りくらいに「新しい自転車」について考えることになったのです。

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30代にして初めて自分で買うマイバイクとしてランドナーを選んだ理由

郊外で生まれ育った僕にとって、自転車は重要な移動手段でした。

中学まではホームセンターで売っている1万円台の学チャリを買って貰っていましたが、大抵は2年ほどでボロボロになってしまいます。そんな僕にとってちゃんとしたメーカーのクロスバイクの持ちの良さは、驚異的でした。

なんせ、そのまま20年以上経ってしまったわけですが、もっと大切に乗っていれば、更に長持ちしたかもしれません。

改めて自転車について調べ始めるのですが、自分で自転車を買うのが生まれて初めてだということに気付きました。中学生までは両親に買って貰っていて、例のクロスバイクは頂き物なので、自分で稼いだお金で買ったことは、唯の一度もなかったのです。

当然、買う自転車を選ぶことも初めてだったのですが、いざ買いたい自転車を思い浮かべると、それはどこかで見た写真の クロモリの細いフレーム のイメージでした。

最初候補に挙がっていたのはクロモリでもロードバイク寄りの Raleigh の RFC でした。ヨーロッパのプロダクトデザインは好みですし、ツール・ド・フランスで優勝したこともあるイギリスのブランドながら、現在日本のライセンス製品でもあるため手に入れやすいわけです。

ただ、自分の乗り方を振り返ってみてみると、ロードバイクではない気がしました。

僕が求めている自転車は、日常の移動手段であり、遠くに自分を連れて行ってくれる快適性があり、多少の悪路でも気にせず通れて、買い物などで荷物を積ぶためのタフネスを備えているものでした。そうして辿り着いたのが、ランドナーだったわけです。

それは自分の中にあったイメージどおりのフレームに、太めのタイヤ、レザーサドル、ダブルレバー。流行のスタイルとは違うようなのですが、独特の輝きを放っています。

こんな機材が現行製品なんだと驚くようなクラシックで優雅な形に、力強く無骨な足回り、何とも格好いいと思ってしまったのです。

知恵袋などに「ランドナーって恥ずかしいでしょうか」という悲しくなる質問をたまに見かけますが、全然そんなことない!と言いたいです。

ARAYA Touriste にした理由

愛好家の方々の本やブログや動画などを漁りましたが、曰く、ランドナーは自分の身体に合ったオーダーメイドが基本とのことでした。そのため多くの愛好家は、東叡やグランボアといったハンドメイドのメーカーに落ち着くということを学びましたが、オーダーメイドの価格を知ってそれらは早々に諦めざるを得ませんでした。

良い物は高いし、一生大切にするようなものという認識もあるのですが、やっぱり僕の感覚として高過ぎました。

次に目が行ったのが、RIVENDELL、SURLY、Velo Orange、All-Cityといったアメリカのメーカー。カラバリやフォルムは日本車にない魅力がありますし、メーカーの思想は僕が求めているものに近い感覚があり、かなり惹かれました。ヨーロッパ車にはない、ゴツゴツとした、大型トラックのような格好良さがあります。ただ物価の違いもあり、やはり価格の面でまだ手が出せないと感じました。

そして、割と消極的な理由により、日本車のマスプロ(既製)車から選ぶしかなかったわけなのですが、今や下火のランドナーに至っては、正直選択肢が少なすぎました。結局出した結論としては、その中でも一番好みのものを選び、あとは自分でカスタマイズするというものです。

丸石のエンペラーは、スペックや価格の面では条件を満たしている気がするのですが、何となくしっくり来ません。理由を考えてみたのですが、名前が皇帝だからでしょうか。僕の中の反骨精神が「これは違うぞ」と叫ぶのです(笑)

冗談はさておき、最終的にARAYAを選ぶことにした一番の理由は価格面でした。

ARAYAのツーリング車のラインナップは、SWALLOW Randonneur(RAN)、Touriste(TUR)、Federal(FED)がありますが、安価なFederalはフォークやトップチューブの形状からして、どちらかというとスポルティーフ寄りな気がしました。ポリカのフェンダーは自分で変えられるとしても、フォークがなで肩が少し違うかなと。唯一 Randonneur の名を冠する SWALLOW は、格好としては良いのですが、現行のサイズが適正身長に満たず断念。

こうして、ARAYA Touriste に決まったのでした。

消極的な理由や価格だけでなく、「ライトカーキ」の珍しい色合いが気に入ったというのも大きいです。

自転車供給不足? ついに自転車も通販の時代…?

車種が決まったら、次にそれをどこで買うかが問題でした。とりあえず公式サイトに書いてある、割と近場の一件の自転車屋さんに行ったところ、「いやー、うちではないね。あまりランドナーは出ないし、うちでも取り寄せはできるけど、何にせよ今は自転車人気で納期がどこも遅くなっているからいつになるか。」とのこと。がっくし。

その店主に、「ランドナーならここがいいよ」と教えていただいたのは、どこかの記事でも読んだ有名店。いかにも玄人が集まっていそうなところで、オーダーフレームならともかくマスプロの、さらにその中でも知名度が低い車種を頼むのは…という気がして及び腰になってしまいました。

後日、電車を乗り継いで行ってみると、店主が快く相談に乗ってくれました。ただ、Touristeはまだ出荷されていないから置いてないとのことで、店主も実物を見たことがないとのこと。なんだかタイミングを逸してしまった感じに。

僕が欲しいと思った時が商品入れ替えの時期だったようで、ただタイミングが悪かったのでした。

基本的にスポーツバイクの専門書などを読むと、自転車はサイクルショップで買うように書いてあります。

というのも、自転車というのは乗る人との相性があります。体格、目的、乗り方、性格…そういったことをヒヤリングしながら本当に合っているのか見てくれるのです。

また、乗った後のアフターケアも大切です。実際に跨がって微調整をしてくれたり、防犯登録をしてくれたり、その後のメンテナンスの相談に乗ってくれたりするので、初心者には安心です。

ただ、今はYouTubeでも様々なハウツー動画を見られますし、これまでもタイヤ交換やブレーキワイヤーの交換、ディレイラーの調整など多少のことならやってきていました。

自転車は欲しいけれどお店に納品されてから購入検討をするのはいつになるかわからない。諦めてお店で試乗できるランドナーにしてしまうか。

そんなことを考えて調べていると、ちょうど数日後に迫った週末が、Yahoo!ショッピングのお得な日でした。みると、納車が数ヶ月後になるものの「在庫あり」と出ているサイクルショップを見つけました。

ちょっと冒険だったのですが、同じくらいの体格の人が旧モデルに乗って旅しているのは既に知っていたので、これは行けるかなと思いました。

覚悟を決めて、早速注文をしてみました!

購入したのは、バイシクルショップ DRIFTさんで、オプションの防犯登録/TSマーク/盗難補償の有無:防犯登録+盗難補償(4,400円)を付けて136,400円。(購入当時)

キャンペーンやクーポン値引や、Yahoo!プレミアム(現LYPプレミアム)会員特典などのポイントバックもあり、実質11万+くらいでした。

もちろん、自分が溜めているポイントやキャンペーン、付属品や保険などショッピングサイトや各ショップによって条件が異なりますので、総合的に考えて選びましょう。

何でも値上げの昨今仕方がないですが、ある意味一生ものだと思えば決して高くは無いはず!

通販で自転車を買う時の注意点

通販で買う時に気を付けたいのが、防犯登録シールです。

防犯登録は届いてから近場の自転車取扱店に持っていって、店頭で登録してもらうこともできます。ただ、防犯登録は義務化されていますし、そこまで自転車を押していくのは容易くありません。調べたところ、防犯登録は他都道府県のシールでも問題ないとのことでした。またTSマーク付帯保険などもあるので、まるとっとオプションをお願いしました。

また、後述しますが反射板などの必要な装備を請け負ってくれて、届いた途端に乗れる状態になっているかどうかも重要なポイントです。

さらに、購入直後にサドルの高さ、シートの前後位置の調整など、細かい部分を見てもらえないので、多少勉強をしておく必要があるでしょう。

ただ、ランドナーというのはそもそも旅用自転車、旅先で不具合があるたびに自転車屋を探す…というのはこの自転車への向き合い方として現実的ではありません。ランドナーという車種を選んだ時点である程度のことは自分でできるようになることは覚悟はしていたので、納車までの長い期間は、いろいろな資料を見て日々勉強をしたり、道具やパーツを揃えることに費やしました。

そんなこんなで、付けたいパーツを一通り買いあさっていき、なんだかんだで自転車の値段に逼迫してしまいました(笑)

俗に言う沼というやつですね。

西濃運輸で受け取り

注文をして発送まで約2ヶ月とのことでしたが、近付いてくると「納車が遅れそう」との連絡が。予め言われていたので想定の範囲内でしたが、結局発送は3ヶ月経った8月末のことでした。

ランドナーだからということではなく、自転車業界全体が需要が増えて遅れているようです。

8月上旬に具体的な発送予定期間の連絡があり、言われていた発送予定期間の初日の夕方に、発送が済んだと連絡がありました。

翌日の朝一に、なんと西濃運輸から荷物到着の電話をいただきました。ちょうどお休みだったのでそのまま電車に飛び乗り、京王八幡山へ。駅から1.5kmほどの距離を歩いて、西濃運輸世田谷支店に到着しました。

そこから自宅へと乗って帰りました。その詳細は別の記事でまとめています。

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受け取ったところで、記念に1枚。

まだ愛車という実感が湧かないのですが、ふと立ち姿を見ていると、これからカスタマイズしていくのが楽しみで仕方なくなってきました。

予め「ヘッドライト」「鍵」は持っていこう

よく見ると、カタログにはない反射板やらベルやら、昼間であればそのまま乗れるようにきちんと整備してくれていることが分かります。そのあたりはサイクルショップだけあってしっかりされてますね。

道路交通法では、ブレーキ(制動装置)、反射器材に加え、ライトの取り付けが必須となります。

僕が買ったお店では、反射板やベルは料金に含んでいたのですが、ヘッドライトだけは別売りとなっていて、一緒に購入して取り付けをお願いするか、自分で取り付ける必要があるようでした。取りに行く前に必ず販売サイトを見たり、お店に問合せをして必要な物が付いているか確認をしておきましょう。

自転車の発送は列車の貨物輸送が得意な西濃運輸であることが多いです。

西濃運輸の一部の店舗は24時間営業となっているので、時間を気にせずに受け取りが出来る反面、特に日が落ちてから取りに行こうと考えている人は、特に必ず事前に用意をして持っていき、乗る前に取り付けましょう。できれば初めて乗るので、天気の良い明るい時間帯が良いと思います。

僕はとりあえず暫定で古い自転車のライトを持っていって、すぐそばにあった公園で取り付けました。

もう一つ用意しておいた方が良い物は、鍵です。スポーツタイプの自転車はママチャリと違い、鍵はフレームに取り付けられていないので、必ず持っていくようにしましょう。

都市部の地域では、鍵を付けずに駐輪すると条例違反となる可能性もあります。そうでなくとも、購入したばかりで輝く自転車に鍵が付いていなければ、盗難の危険性が高まります。

まずは車の少ない通りで練習をしてから

このまま、道を調べて真っ直ぐ自宅に帰るだけですが、初めてのライドは緊張します。

ギア数は以前乗っていたクロスバイクとほぼ一緒だったので、変速の感覚は直ぐになれましたが、身体の使い方が全然違います。特に信号待ちなど待っている際に、そのまま足を着きにくいので、ペダルに足を掛けつつ、サドルからトップチューブの上に腰を落として止まるという一連の動作など、若干の慣れが必要でした。

この点でも、明るい時間帯に受け取りに行くのが良いと言えます。

初めてのドロップハンドル、ダブルレバーは緊張しました!

少し練習をして、感覚をつかめてきたところで、自宅に向けて出発です。

徐々にハンドルポジションやブレーキング、ダブルレバーの感覚が楽しくなってきましたが、まだまだおぼつかないので、空いている道を選びゆっくり安全に走ることに専念しました。

恐らく30分くらいの道のりでしたが、水分補給をしたり休んだりしながら、1時間弱で辿り着くことができました。

これから、いろんなカスタマイズをしたり、いろんな場所に行ったり、写真を撮ったりして、このブログに載せていきたいと思います。

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