これまでホームセンターやお下がりなどの自転車を使っていたため、僕は一度も、サイクルショップで自転車を買ったことがありません。
多くの人が、アフターケアもあるからサイクルショップで買うべし、ということを仰っていますが、お金を払ってサービスを受けられなかった経験がないので、私自身ネットで購入することはあまり抵抗がありませんでした。
もちろん、親身に相談に乗ってくれるメカニックの方がいると心強いのですが、私が乗るのはマスプロ車。
自分で自転車のメンテナンスを学んで、ある程度までは独りでできるようになろうという決意もあり、今回は関西にあるサイクルショップ DRIFT さん(のヤフーショッピング店)で自転車を買い、東京で受け取るという経験をしました。
決め手になったのは、西濃運輸の営業所止めで配送をお願いすると、通常 5,500円の送料が無料になるショップだったということです。配送料分が余分に掛からないのであれば、ネットで頼んでもいいのでは。むしろポイント分がお得になる! そんな訳で、営業所止めで注文をして、家に持ってくるまでをレポートでまとめました。
自転車ブームで需要過多で供給不足のようです。
買いたい自転車がネットでしかない場合など、西濃運輸で受取をする方の参考になれば幸いです。
購入に至る経緯はこちらに詳しく書きました。
購入したランドナー ARAYA Touriste。
西濃運輸から自宅に連れて帰るまで
受取可能な営業所は「支店」のみ
注文をする際、配送希望の支店を書くのですが、西濃運輸のホームページで営業所を検索して、最寄りの店舗を伝えたところ、対応していないと連絡がありました。
西濃運輸には、大きく「支店」「ビジネスセンター」があります。23区内の「支店」は、足立東支店、足立支店、大森支店、錦糸町支店、京浜ターミナル支店、世田谷支店、東京支店、深川支店など、新木場にある東京支店を含め、山手線の外側に位置しています。
他方の「ビジネスセンター」は新宿、渋谷、神宮前など、都心部に細かく出店しています。ビジネスセンターも営業所止めは可能だとのことだったので、はじめはそちらを指定しました。
ところが、注文後にサイクルショップから連絡があり、ビジネスセンターは指定できないとのこと。雑居ビルの一角など、小規模な営業所のことだったので非対応だそうで、自転車などの大型貨物は支店のみということだそうです。
今回、立地やルートなどを総合的に考えて、「世田谷支店」に決めました。
因みに、西濃運輸のグループ会社「セイノースーパーエクスプレス」の支店も存在しており、自転車などの取り扱いもありそうだったのですが、今回は西濃運輸と言われていたので、調査できていません。
発送日翌朝に電話
ある日の夕方、ショップから発送の通知が届きました。供給不足などにより入荷遅延の連絡を貰っていましたが、予定よりちょうど1ヶ月ほど、経った頃でした。
発送通知を受けても、関西から東京だから、到着は翌々日くらいかしら、と思っていたら、発送連絡の翌日朝イチで西濃運輸世田谷店から電話がありました。荷物が到着したから7日以内に取りに来てくださいとのことでした。
どうも西濃運輸は鉄道網を使った大量輸送が得意なようで、関西の営業所で集荷した荷物が夜の間に電車で運ばれ、東京の支店にも届いているといった具合のようです。
ちょうどお休みだったので、浮き足だってそのまま電車に飛び乗り、京王八幡山へ向かいます。
物流のスピード感すごい!
西濃運輸の支店は駅チカではないことが多い
錦糸町支店など一部の営業所を除き、「支店」は駅からはやや離れたところにあります。大型車が何台も駐車できて、広大な倉庫が必要となるので、当然のことと言えば当然です。
世田谷支店は、京王線八幡山駅と、小田急線千歳船橋駅との丁度中間地点にあります。どちらの駅からも1.5kmほど、駅前で腹ごしらえをしてから、歩いて向かうことにしました。
バスも通っているため、歩きたくないという人は、時間と運賃を掛ければたどり着けますし、レンタルサイクル「HELLO CYCLING」のサービス圏内なので、自転車に乗って自転車を引き取りに行くことも可能です。
駅前から20分ほどで、西濃運輸世田谷支店に到着しました。
トラック用のゲートをくぐり中へ
中に入ると、当たり前ですがそこは物流ターミナル。西濃運輸のトラックが何台も駐まり、ドライバーが荷積みをしています。勝手に入って良いのか訝しみながら、とりあえず受付を探します。
入っても全然大丈夫ですが、大型車が出入りしていたり、従業員が作業しているので邪魔にならないよう注意しましょう。
倉庫の奥に事務所
トラックの荷積みのため、一段高くなっている部分に倉庫がありますが、その奥に事務所らしき場所を発見。西濃運輸だったかはわかりませんが、昔バイトをしたことがある物流倉庫を思い出しました。「いらっしゃいませ」と書いてあるので、入っても大丈夫そうな雰囲気です。
受付時に梱包資材引き受け希望を伝えましょう
中に入るとカウンターがあり、発送・受取用の窓口もありました。巨大な施設に若干ビビっていたのですが、手続きは小規模な宅配営業所と何ら変わりません。座っている事務員さんの数が、ちょっと多いだけです。
近くの方に声をかけ、営業所止めの自転車があることを伝えました。また、このとき梱包資材の引き受けをお願いしたい旨を伝えます。朝貰った電話で事前に確認をしておいたとおり、世田谷支店の場合有料(550円)で引き取って貰えるとのことでした。お金を出してから伝票の作成に数分を要しました。
先に支払を済ませたのは、このあとのことを考えてです。
開梱したばかりの、新品の自転車を倉庫に置いたまま、支払手続きなどに気を取られるのは避けたいからです。支払が済むと、荷物の場所に案内するというので付いていきます。
それにしても、引き取り用のスペースだけでも、自転車らしき箱が何台もありました。利用者もかなり増えているということでしょう。伝票を確認しながら、順番に回っていきます。
恐らく僕の方が見つけたのは早かったです。箱に「ARAYA」のロゴが見えたからです。すぐに事務員の方も確認をして僕の荷物だとわかりました。
梱包を見てしまったーと思いました。開梱する道具を一切持ってきていなかったからです。
恐る恐る貸してもらえるか聞こうとしたら、なんと事務員の方がカッターを取り出して渡してくれました!
梱包資材はその場に放置、カッターは終わったら声を掛けて返却とのことでした。
開梱作業
当たり前ですがAmazonの梱包などとは大違い。蓋を開けて取り出すだけ、という訳にはいきません。
気持ちの昂ぶりを抑え、まずは無事に箱から出すことに集中します。
作業スペースには、梱包や開梱をする他の利用者の方もいますし、すぐ近くを作業員や作業車が通るので、あまり広くは使えません。
上の写真の右側に写っているリフターは、このあと作業員の方が移動してくれたので、この場所で作業をします。
人やリフトが通るスペースを確保した上で、効率よく作業をしましょう。
漸く対面
ついに姿を現しました。箱から出した直後に撮ればよかったのですが、これは少し片付けた後。意外と人が多かったので、ゆっくり写真を撮る暇がありませんでした。
少し大変だったのは、箱の上部を全て開けて、中から自転車を上に引き上げる作業。ちょっと力仕事ですし、基本誰も手伝ってはくれないので、要注意です。
最初の印象は、「自転車ってこんなに大きかったっけ」でした。暫く自転車に乗っていなかったのもありましたが、700cから650bに乗り換えだったので、もっと小さいフレームを想像していたからかもしれません。ホリゾンタルフレームも、思ったより存在感があると感じました。
何にせよ、注文から数ヶ月の末、待望の愛車と初対面の瞬間でした。
箱から出してから乗るまで
どのような状態で運搬されているのかわからなかったのですが、どうやらサドルを外しただけの状態のようです。箱に梱包されたシートポストの付いたサドルが入っているので、自分で取り付ける必要があります。こんなこともあろうかと、鞄に携帯工具を忍ばせておいたので、焦らずに済みました。
自分の用意周到さを誇らしげに思っていると、箱の底にあった説明書とともに、アーレンキーが入っていました。
ペダルは取り付けられていました。流石にペダルレンチは持って来る気はなかったのですが、もし付いてなかったら困ったことになりましたね。
一応携帯ポンプや簡単な工具は持っておくと安心ですよ。
梱包資材は畳んで念のため分別
サドルを付けたら、梱包資材を畳みます。
小さく畳む必要はなかったかもしれませんが、運べるサイズにしておくのが良いかなと思いました。あとはプラ系と段ボール系に分別しておきました。
コンパクトにまとめたら、受付に行ってカッターをお返しして完了なのですが、その間、自転車をどこに置いておけば良いのか、ちょっと戸惑いました。
人目のある倉庫で、昨今の自転車の相場からすると決して高い方とは言えない自転車を、わざわざ盗む輩がいるとは思えなかったのですが、100%ないとも言い切れません。そもそも、倉庫内は荷物や人でいっぱいなので、迷惑がかからず、かつ倒れないで立てかけておけるような場所が見あたりません。
迷った結果、若干抵抗はあったのですが、床に倒して置くのが危なくないだろうと判断しました。
ちょうど僕のいた隣の荷物の島は、作業をしている人が誰もいなかったですし、人通りもなかったので置いておくことができましたが、もしももっと混んでいたら、どうするのが正解だったかはわかりません。
かくして、無事に受け取りができました。
営業所で受け取って良かった点、気になった点
今回実際に取りに行ってみた体験を振り返り、以下の点が良かったです。
PRO 1ショップによっては送料が安くなる
何と言ってもこれは一番大きなメリットでした。
僕が注文したショップの場合、通常の自宅までの配送の場合、5,500円の配送料がかかることになっていましたが、営業所受取を選択することで無料にすることができました。
送料無料であれば正直自宅に持ってきて貰ったかもしれませんが、高価な買い物なだけに少しでも安く買いたいと思っていたため、迷わずこのオプションを選びました。
PRO 2自分のタイミングで受け取れる
西濃運輸で自宅配送の場合、時間枠が1日4枠で、他社に比べると枠の時間が長いと感じられました。(2022年8月現在)
自転車という大きな荷物ですから、不在配達はなるべく避けるべきですが、指定した時間ずっと待機している必要が生じます。
営業所に受け取りに行く場合、7日以内という制限はありますが、其れを差し引いても自分のタイミングで良いので気が楽でした。
また、西濃運輸の営業所によっては24時間営業しているので、時間も選び放題です。(ただし、僕は日のある時間帯の受取を勧めます。理由は後述。)
PRO 3梱包資材をすぐに破棄してくれる(但し最近は有料のことが多い)
自転車を梱包している段ボールは、殊の外巨大です。普通の規格に入りきらないので、いくつかのフレーム用の段ボールを組み合わせているのではないかと思われます。
その分嵩もかなり大きいので、自宅で受け取ってしまうと、少なくともゴミの日までは段ボールを保管しておかなければなりません。
調べたところ梱包資材を無料で引き受けてくれる運送会社もあるようですが、少なくとも僕が行った西濃運輸世田谷支店では550円の有料回収でした。
自宅配送の場合の送料の1割なので、有料でも価格面で大きなメリットがあると感じました。
気になったところもまとめておきます。
CON 1営業所へ公共交通機関で行きにくい
自転車が詰めるような大きな自家用車を持っていれば別ですが、公共交通で行かなければならない場合、西濃運輸のような大型の荷物を扱う営業所は若干不便なところにあることが多いようです。
錦糸町支店は駅から徒歩10分程度のところにありますが、最寄りの駅から20分かかるような営業所も少なくありません。
バスなどに乗って行くか、シェアライドなどを使用するか、頑張って歩くか、いずれにしても行きは少し面倒なことになりそうです。
CON 2初めてのライドが知らない土地になる
普段から受け取る営業所に行っていれば別ですが、そうではない場合は初めてのライドが知らない土地になるわけです。
不慣れな自転車で、土地勘もなく、少し緊張するかもしれません。
CON 3事前に確認するもの、用意するものなどがある
価格面のメリットがある反面、やはり気を付けておくべきポイントがいくつかありましたので、次の項目で解説します。
営業所で受け取りで注意すべき点
受取は1週間以内
西濃運輸到着後、1週間以内に荷物を受け取る必要があります。
運送会社ページには10日という記載がある箇所もありますが、僕が購入したサイクルショップでも、西濃運輸からの電話でも1週間と言われたので、自転車などの大型荷物のルールかもしれません。
納品予定の連絡が来た時点で長期の旅行や出張が重なりそうな場合は、前もってサイクルショップに日取りを相談しましょう。
梅雨の時期や、忙しくなりそうな時期を避けた方が無難です。
梱包資材の回収については注文前に、希望の営業所に確認をしておく
サイクルショップの説明では、梱包資材の引き受けについては営業所に確認となっていました。
私は勢い余って買った後だったので、希望的観測で大丈夫だろうと思っていましたが、注文前に、該当する営業所に確認をしておくのが一番安全です。
作業スペースは周りに迷惑にならないように
倉庫内は意外と人がたくさんいました。もちろんみなさん大きな荷物の梱包や開梱をしているのでお互い様なのですが、お仕事で利用されている方もいます。また、スペースがあると思っても、作業員用の通路になっているところもあります。そういう場所は大抵、床にラインが引かれていることが多いです。
早く自転車に乗りたい気持ちになりますが、時間と心に余裕を持って、周りの様子をよく観察しがら開梱作業をしましょう。
できれば晴の日の昼間に行って、運輸会社を出た後に、人通りの少ない道で練習
僕が購入したショップは、身長等を事前に申告しておくと、調整をした上で発送をしてくれます。実店舗だとその場でフィッティング(?)をしてくれるのだと思いますが、ネットショップでも予め調整をしてくれるのはとてもありがたいです。
しかし、自転車が変わると、乗り方も大きく変わります。ハンドル、ブレーキ、ギア、サドル高など、これまで乗っていた自転車と変わるという時は、使い方をよくチェックして、大丈夫そうだと思ってから、本格的に走るようにしましょう。
乗り慣れない自転車に夜間乗るのはとても危ないので、晴の日の明るい時間帯に行くことをオススメします。
最初サドル位置がなかなか決まらず、近くの公園に行って少し調整をしました。
そして初めてのダブルレバー、ドロップハンドルは緊張しました。
乗れる状態か確認しておき、不足しているものは用意して持っていく
購入するサイクルショップ次第ですが、そのまま乗れる状態とは限りません。
防犯登録シールは義務化されているので、営業所受取の場合、事前にオーダーしておくのがおすすめです。他の都道府県のシールでも問題ないとのことなので、僕も縁もゆかりもない関西地方のシールを貼っています。もしくは、営業所から最短のサイクルショップを調べておいて、そこまで押して歩きましょう。(ただし、万が一その道中で警察の取締に合うと、自分のだという証明が難しいかもしれませんね。)
反射板、ライト、(そしてブレーキ)は道路交通法で取り付けが義務づけられています。事前に付属しているか確認し、もし付いていなければ用意して持っていく必要があります。
義務ではありませんが、鍵も持っていく必要があります。特にスポーツタイプの自転車は鍵は本体に付属していませんので、持っていないと帰宅するまで自転車から離れられなくなってしまいます。
また万が一に備え、簡単な工具を持って行くと安心です。
僕が注文した商品には、サドル調整用のアーレンキーが同梱されていましたが、“備えあれば憂いなし”です。
まとめ
アフターケアなどを考えると、サイクルショップで買う方が安心感があります。特に自力でケアするのが難しい、道具を揃える費用を抑えたいなどの場合は、実店舗にした方が無難です。
また、通販で購入した場合でも、自宅まで届けてもらうことは可能ですので、近くに輸送会社の営業所がない場合や、いきなり乗って帰るのが不安という方は、迷わずに自宅に届けて貰いましょう。
気を付けるポイントさえ押さえておけば、いつでも気軽に取りにいける営業所受取はオススメです。特に、営業所受取にすることで送料が無料になるサイクルショップで購入できるのであれば、ぜひ活用して安く手に入れてみてください!