ママチャリから自転車生活をスタートした僕にとっては、自転車=カゴの付いた運搬車でした。
夏場は鞄を入れて快適に走れますし、ちょっとたくさん買い物をしちゃった時の運搬も楽々。
だから、中学生の時に譲って貰った初めてのクロスバイクに乗り始めた際にはよく思いました。
(カゴがないって、相当不便だ…)
しかし、そこから何十年もの間、カゴのない生活をしていました。カゴを付けたり、リアキャリーを付けたりすることも考えたのですが、太いアルミフレームの車体に適合するかわからない製品も多く、荷物を積んで運ぶ姿もあまり美しいとは思えませんでした。
結局、買い物袋をハンドルバーの端にぶら下げて、時に両側に買い物袋を下げながら走るという危険な走り方ばかりしていました。
操作感が鈍くなったせいで危ない目にあったこともありますし、長物がタイヤに巻き込まれて横転したり、中に入っていた卵ごと壁にぶつかり買い物袋が大惨事になったことも…。
よい子は真似しないでね。
やっぱり自転車にはバスケットを!
ランドナーに新調した際に、荷物をたくさん詰める自転車にしたいという思いがありました。
駱駝と共に砂漠を渡るキャラバンのように、荷物を優雅に運びたいのです。
前後にはVelo OrangeとNITTOのキャリアをインストールしました。バッグも購入予定です。
でも、常にバッグと持ち運ばなければならないのはちょっと面倒です。手ぶらで行って、出先で買い物がしたくなるかもしれません。
じゃぁ、やっぱりバスケットか!
そうして選んだのがWALD 37というアメリカの自転車用バスケットです。
色はシルバーとブラックがあり、僕はシルバーを選んでいます。
ただ、執筆現在はシルバーの供給がないようです。
最初のカスタマイズ時に購入して付けました。
当初はフロントに付けたかったのですが、ランドナーバーとの干渉や、フロントはキャリアのデカラーでバッグを付けたいという野望に変わったので、リアに設置しました。
世界中に愛用者がいる100年以上の歴史を持つ老舗メーカー
WALDのロゴマークには「1905」の文字が刻まれていますが、WALDの社史によると、これは創業者たちの初期のビジネスである修理ツールで成功した年のよう。
今ではWALD=バスケットというくらいの代表製品ですが、創業時からあったわけではないようです。一度成功を収めた創業者たちが本拠地をウィスコンシンからケンタッキーに移し、今度はパーツ製造を始めます。その中で現在まで長く愛されているのがシンプルで頑丈なバスケットというわけです。
WALDのバスケットの特徴は角張ったデザインですが、ロゴマークや文字は一切ありません。このシンプルデザインなのにWALDだと一目で分かってしまうのはスゴイことです。
僕が選んだWALD 37は、長辺38cm、短辺25cm、高さ12cmのオーソドックスな商品です。
他にも、固定用のステーが付属した「137」や、高さの低いハーフバスケット、一回り大きい「139/39」、本国では特に配達業に人気な特大バスケット「157/57」、ラック、キャリアなどのラインナップが創業から100以上経った今でも製造・販売されています。
日本にも自転車カゴというのは存在していますが、スポーツ車には不似合いと敬遠する声も聞かれます。ただ、このWALDバスケットだけは別格で、特にアメリカ文化の影響が濃い界隈から、じわじわ浸透している感じがします。
ここ数年で街中でもよく見るようになった気がします。
100均のインシュロックでいつでも取り付け・取り外し
WALD 37にはステーが付属しないので、キャリアが既に付いている人向けです。
TURのリアにはNITTO Campee Rearを取り付けていますので、ここにインシュロック(結束バンド)を10本くらい使って留めています。
これで十分というのと、いざというとき外すのも簡単なので、スタイルを変えたい時にさっと取り外しが出来ます。
カゴがなくなるとあらスッキリ。
でもちょっと心許ない(荷物はガシガシ運びたい派なので)。
専用製品豊富・カスタマイズ性抜群・更にドレスアップも?
WALD 37/137用がワールドスタンダードになっていることで受けられる恩恵があります。
例えば、RealmのWald Basket Bag(テキサス)や、OUTER SHELL ADVENTUREの137 Basket Bag(カリフォルニア)など、製品名で一目瞭然ですが、WALDのサイズに合わせて作られたバッグが多く作られています。もちろん、ざっくりとサイズが合っていれば、手持ちのトートバッグなども使っても良いでしょう。
さらに注目すべきは構造が非常にシンプルで頑丈なので、様々なアイテムを組み合わせて使うことができます。格子が細か過ぎず粗すぎないので、ストラップ、カラビナ、ネットなど、自転車やアウトドア系のアクセサリーを付ける際に丁度良いのです。
バスケットだけでも十分に美しく機能的なのですが、BLUE LUGさんで専用のウッドトップを作っていると知り、衝動買いしてしまいました。
実は出先でちょっと物を置いたりする際、目が粗いのが気になっていました。
ネジとステーでバスケットと接合しているのですが、真鍮製のパーツがアクセントになっています。最初はピカピカとしていますが、だんだんと鈍く光るようになるはずです。
外で一人用のベンチしかなくて、ちょっと食べ物を食べたい時など、即席のテーブルトップのような使い方もできますし、パーツを少し置いておくのにも良いですし、ちょっと平面があるだけで“即席リビング”や“即席工房”になります。
ウッドプレートの隙間にインシュロックを通して、キャリアと固定しているような形で留まっています。隙間に通すため、細めのインシュロックにして、数を多めに留めています。
だんだん癖の強い装備になってきました(笑)
金色に輝いていたリング部分が鈍色になり味が出てきました。
金色に輝いていたリング部分が鈍色になり味が出てきました。
金色に輝いていたリング部分が鈍色になり味が出てきました。
WALD 37で運んだ物たち
ここで突然ですが、これまでこのバスケットで運んできたものを紹介します。
日用品
ちょっとした買い物の時は、X-strapを持っていっています。目は細かくないのですが、袋を留めたりするには十分な形状です。
重い物
米や砂袋など重く粒子状の物を運ぶ際、キャリアに直接ですと不安定だったり、振動で穴が開いたりするなど思わぬ事態になりますが、バスケットがあると安定して運ぶことができます。
箱物
箱状の物に関してはあえてバスケットである必然性はないのですが、大きさにより様々な運び方ができます。
長物
自転車にとって厄介なのが長物ですが、こちらはキャリアとの組み合わせで運びきりました。
また写真を取り損ねてしまいましたが、細い角材などを運んだ際は、バスケットの格子が粗いことを利用し、その間に突き刺すようにホリゾンタルフレームまで伸ばして数カ所で固定、角材に跨がるようにして運搬してことがあります。
その他
スポーツ車もバスケットはありっ!
WALDを知る前は、バスケットを付けようとは全く考えませんでした。
カーゴ車ではプラスチック製、金属製、木製の荷台や箱形の物入れが取り付けられたものを見ますが、もう少しスマートでスピーディーな車体にも合うのがWALDだと思います。
バスケット=ダサいというイメージを払拭してくれる唯一無二のプロダクトとして、これからも大切にしていきたいと思います。
シルバーの37バスケットも復活を願いたいところです。